心理の専門家が伝える
ダイバーシティインクルージョン

ダイバーシティという言葉を
よく耳にするようになりました。

ダイバーシティ
多様性を表すこの言葉は、
インクルージョン
お互いを認め合い尊重し合うという
言葉とセットで
ダイバーシティインクルージョン
という風にして使われております。

世界基準の様々な
会社としての組織としての強さを表す
という風に言われるものです。

最近、多くの企業から
ダイバーシティインクルージョンを
テーマにした研修などの依頼を
頂いておりますので、今日は、
ダイバーシティインクルージョンと
私達心理の専門性について
お話しをしていきたいと思います。

ダイバーシティーインクルージョンと
心理の専門性

日本が高度成長期だった頃、
日本はモノづくりを中心とした
工業が産業の主流でした。

そういった場合は、
同じ価値観を持ち、
同じ均一的な能力を持つ人達が
非常に高い組織の中では
力となります。

つまり、不良品や欠陥品を
作り出す事なく、
ある程度、標準以上の技術を持ち、
一つのものを精密に大量に
作っていく事こそが、
製造業においては
強い組織となりえたのです。

その中では、
属性や価値観も多くの場合、
均一になることが多いわけです。

つまり

ある程度の学校を卒業をした男性社員。
結婚し、安定をする事によって、
人としての深まりを持ち
管理職となっていく。

そして、また入ってくる新入社員や
部下たちも男性で、
同じような人生を
歩んでいくというものです。

日本はこの統率のとれた
単一化された組織を作り出す事で、
世界に名だたる産業立国として
経済を支えてきました。

ところが最近では、
これらの様子は様変わりしています。

この様変わりを日本経団連は
2017年に発表をしたコメントの中で
このように取り上げています。

1.ソサイエティー5.0

ソサイエティ−5.0というのは、
まさに、AIなどの
社会の浸透によって、
色んな個人の価値観や好みが
反映されていく時代
ということです。

例えば、私が子どもの頃は、
家に黒電話が引かれていて、
ある一つの進化が
感じられました。

だけれども、黒電話を
私達の親の世代は、
単なる情報伝達の要件だけを
言うものとし、

私達の世代では、
それをお友だち同士の
「おしゃべり」という
コミュニケーションの手段として
使うということを覚えました。

私達の子どもの世代は、
電話でコミュニケーションを
するのではなく
LINEやメールなどの文字で
コミュニケーションをする
という時代になっていくのでしょう。

つまり、たった一つの
電話というような
通信手段を使っていても、
それぞれの世代や価値観によって
コミュニケーションの形成が
変わってきます。

このような社会状況の中では、
単一化された価値観は、
組織の中の弱点となり
滅びざる得ないチーム
となってきます。

多くの個性的な価値観が
ソサイエティ−5.0と言われる
新しい超スマート社会では
求められていくということです。

2.グローバル化の進化

インターネットの普及によって、
私達は、世界の顧客を
相手に出来る事になりました。

その反面、世界の企業を
ライバルにして戦わなければいけない
という厳しい企業間競争が
待っている事を意味しています。

自分達の地域の中で
自分達の従来の価値観だけに
留まっている組織は、
その世界的なグローバル化の
力の中で、あっという間に
埋もれてしまいます。

数年前までは
それぞれの地元の店舗で
モノを買ったり服を買っていた
人達が今はどうでしょう?

世界的なネットワークを持つ
インターネットのサイトによって
服を買い日常品を買うように
なっています。

これらのグローバル化の流れは
今後ますます進み
インターネットや
在宅にいてもそれを受け取れる
宅配業者などの浸透によって、
ますます違うコミュニティーが
形成していくと言っても
過言ではありません。

この超スマート社会と
グローバル化という
2点の動きによって、
私達は個人の好みや生き方を
より尊重し、社会の中に
迎合していかなくても
自分らしく生きれるという時代を
形成しようとしている
かのように見えます。

それの顧客サービスや
消費者のニーズを
掴んでいくことが多様性。

ダイバーシティーというような
一つの考え方となってくるのです。

ダイバーシティーインクルージョン
多様性を尊重するという組織が
いかに大切か、
ここで理解できると思います。

つまり

これからの
強い企業を作っていくための
一つの組織形態としては、
価値観や属性、
様々なマイノリティーを
包括していく多様性を認め合う
組織とする事が必要だと
言えるでしょう。