LGBTの部下を持つリーダーとして(前編)

2012年3月7日
国連事務総長は

「性的マイノリティ(LGBT)の方々が、
 今現在、深刻な迫害や
        差別を受けている」

という事に対する
声明を発表致しました。

2017年時点でも
世界のうち27か国が、
同性愛というだけで
犯罪としてみなされるという
法律を有しています。

つまり

自分が自分の人権において、
誰を好きになるということが、
法律によって
規制されているという事です。

また、法律では規制されなくても、
同性愛を宗教上の害悪だ
と思われる教えは世界中にあり、
そこの中でそれに反した人達が
差別や迫害などの歴史をもっている
ということが言われていました。

その中でも、今現在、
世界の7か国で死刑判決が
言い渡されるリスクがあるとも
言われています。

日本における歴史

日本においては、
同性愛の文化において、
明治以前においては
非常に寛容的な立場でした。

戦国時代では、女性は戦場に
連れていけないという事で、
男性の小姓を武士たちが同伴した
ということは非常によく
知られていますし、
同性愛的な文化においても
非常に寛容であったと
言われています。

また性の不一致
トランスジェンダーなどへの思いも、
比較的日本の文化の中では、
男性、女性の両方の性を有する
神様が出てきたり、
物語が出てきたり、
神秘的な象徴として
伝えられています。

歌舞伎や能などで
男性が女性役を演じるという事も、
性を超えた芸術作品
を表現していくことによって、
それらの人間の内面にある奥深さ
を表しているとも言えます。

心理学的観点

ユング心理学では、
私達ひとりひとりの個の中に
男性であっても男性性、女性性
というものがあり、
女性であっても女性性、男性性の
両方を有すると言われています。

社会的性のことを「ジェンダー」、
身体的性のことを「セクシャリティ」
と呼んでいますが、
私達は生まれてからこの方、
ジェンダーというものと
無縁で生きていく事はできません。

例えば、男の子は青色の服、
女の子はピンクの服といったような事が、
幼稚園でも分けられています。

そういった社会的なジェンダー、
男の子だったら
男らしく、いつも胸を張って、
泣いたりしちゃダメというもの。
これが、リーダーシップを持つとか、
常に強くあるとか、
会社を作り経営者としてやっていく
というのも男性性の中に
含まれるのかもしれません。

女性性という女性らしさの中には、
お料理が上手だとか、
甲斐甲斐しい、
世話好き、
花が好き
などといったようなものが
挙げられるのかも知れません。

これらを見てもわかるように、
男性の中にも
お料理好きや花が好き、
世話好きという人は
たくさんいますし、
女性だって優秀な管理職や
経営者はたくさんいるはずです。

つまり、これらの人が
ひとりひとり個性的にかつ
女性の中にも男性性、
男性の中にも女性性がある
ということを
しっかりと認めていけば、
私達が性や性同一性に関る問題が
そんなに特別なものではない
という事を感じていくはずです。
(後編へつづく)