君の名は。 を見て

今日は、アニメのお話から。

新海誠監督の作品を見ています。

ファンの方には今さらですみません。
にわかもいいとこです(笑)

「浮世先生、今流行ってる「君の名は。」がすごく良かったです。ぜひ見てください」

と、アニメ好きでもない普通の大人たちが
オススメしてくるのを聴いて、それなら一度見て見ようと、
渋谷のアイディアヒューマンサポートサービスのある
すぐ隣のビルの映画館で、
もう上映が終わるギリギリで滑り込んで見ました。

感動して翌週には家族とともに、
六本木の映画館で再度見ました。(渋谷はもう終わっていたので、、)

特に最初の渋谷では、心理カウンセラーである
同僚たちと一緒にみんなで見て、
その後「どこが良かったか」を語り合う、
「投影トーク」をして、実にこれが面白かった!

なぜ、あの作品がヒットしたかもわかりますし、
みんなで見ることで自分やお互いの理解にもつながりました。

映画やドラマ、アニメをみて、
どのキャラクターやシーンにが印象的か
ということを語り合うことを私たちは

「投影トーク」といいます。

これは渋谷のココロゴトカフェのメニューでもある
「ミニチュアでトーク」と言われる「箱庭トーク」と同様の投影方法で、、
「箱庭トーク」がミニチュアでトークと言われる、
いろんなお人形を使って自分の世界観を作り上げていくように、

自分が映画のどのキャラクターやどんなシーンが
印象的だったかを語り合って、自己分析するというものなんです。

さて「投影トーク」の分析の仕方は簡単!
みんなで同じ映画やドラマを見る!
そしてその後に楽しくお茶しながら、、

「今日の映画のどこが好き?」
「誰が好き?」
「ドキドキしたところはどんなシーン?」
「泣けたのは?」
「ぐっときたのは?」
「イラっとしたのは?」
「どんなセリフが心に残った?」

などなどの同じ質問をみんなでしあって、
これをみんなでわーわー楽しく語り合う(笑)

これが実に実に楽しい!
同じ映画見てもひとそれぞれそんなに違うんだ!
と思いますし、

「え?そこ?」

というシーンで泣いた!
という話が聞けて、
もう映画もアニメも何倍にも楽しめてしまうのです!

この楽しさにどっぷり浸かった浮世は、
時々映画の配給会社から心理分析のコメントのお仕事を
頂いたりもしてるのですよね。

また舞台についての投影法を楽しく綴ったコラムは
「ステージスクエア」という舞台誌で
「浮世満理子のエンターテイメントセラピー」
として連載していたくらいの投影大好きっぷりです(笑)

さて、皆様にも「投影トーク」を楽しんで頂きたいので、
ここでひとつ、楽しむためのルールがいくつかあるとすれば、、、
とにかくわーわー楽しく話す!
が基本なのですが、
次のポイントを踏まえれば誰でも出来ます。

1、人の意見と自分の意見が違うことをネガティヴに捉えずに
  むしろ「面白いねー」とうなずいて聴く。
2.一人の人が話すのではなく、みんなで話して盛り上がる。
3.あくまで自分が「好き」というだけに会話をとどめる。

そこに「このシーンは評価が高い」だの「にわかファンは黙っとけ」だの、
無意味なネットの炎上によくありがちな、パワーゲームを持ち込まない。

自分の素晴らしさを熱弁して、
語る会ではなく、自分や人の気づかなかった一面を
語り合うのが心理学の醍醐味です。

あと、心理学の学び始めの人にありがちなんですが
頼まれてもいないのに、勝手に分析したりしない。

「ふーん、隕石が落ちるシーンで泣きそうになるんですね。
それはあなたのトラウマと関連があるのではないですか?」みたいな、、。

頼まれもしないのに人の心に踏み込み、
自分の知ってること全部伝えるお節介な心理職は、
ぶっちゃけ一般の方々から嫌われますから、
気をつけましょうね(笑)

隕石が落ちるシーンで泣きそうになったのは、
浮世自身でありますが、トラウマ!もちろんだろうと思います。

2011年にものごころついていた日本人で町が破壊され、
避難の緊急警報が鳴り響くシーンで
全くトラウマのない人がいるのだろうか?と思う。

あの映画が、東日本大震災のレクイエムといった方もいるようですが、
ある人にとってはそうだし、ある人にとっては全く関係ない。

つまり、あの作品のすごいところは多面的にいろんな人の
「心を映す投影シーン」があちこちに埋め込まれているということです。

私の場合は、東北を始め被災地に早い段階に心のケアチームとして入り、
グシャグシャになった家屋をリアルに見た記憶があるだけに
一気にフラッシュバックした。

そして、、隕石が落ちるあのシーンで、、ホッとしたのです。

なんで?と思います?

三葉という女の子が必死で、
町民を避難させようとするシーンのあと、
避難が成功したのかがわからないまま、
隕石が村に落ちるシーン、、。

スローモーションのように、
村の神社の鳥居が吹き飛び、
車が空に吹き上げられる。

その時に私は必死で人を探し、
そこには誰も人が飛ばされていないことを確認して

「ああ、良かった!みんな避難できたんだ!」

となんとも言えず、ホッと胸をなでおろしました。

後でそこを語ると、
同僚たちはみんな

「え?人がいなかった?そうでしたか?」

とまるで気がつかなかった様子。
やはり、意識してみないと見えてこないのが
人の心理でもあります。

いろんな映画やアニメにいろんな人が
いろんな評論や考察を書くけれど、
一人一人きになるところは違うし、
ひとくくりしないところが面白いのであります。

そう、これが「君の名は」のヒットの秘密だと私は思います。

一つのストーリーが、観る人によって恋愛のお話になったり、
運命のお話になったり、災害お話になる。

いろんな「投影しやすいシーン」があちこちに埋め込まれているのです。

いろんな自分だけのマイストーリーになって
深く深くこころの深いところで広がっていく感じ、、、。
だから、この作品は多くの人から
愛されたのではないかと思っています。

明日もアニメのお話で…
盛り上がりたいと思います(笑)