浮世満理子私は「カウンセリングとは何か」と聞かれた際に、
最後のパンのようなものだとお話しすることがあります。

海外にこんなお話があります。

紛争地域で、捕虜から逃れてきた男性が、
誰にも見つからないように自国の国境をめざして逃げています。

お腹が空いている男性に、見知らぬ親切な老人が
「大事に食べなさい」と言って、男性の上着のポケットに
布にくるんだパンを入れてくれました。

男性は空腹で今にも倒れそうなのですが、
最後のパンを食べてしまったら、生き延びるすべが
なくなってしまうので、思い留まります。

彼は時折、ポケットの中に手を入れ、パンの存在を
確かめて、「パンがあるから大丈夫。まだいける」と思いながら、
ようやく国境に辿り着いて、味方の兵に保護されました。

男性は病院に運ばれる際、

「上着のポケットにパンが入っているから。
親切なご老人にもらったパンなんだ」

と言います。

男性の上着のポケットから出てきたものは、
布にくるまれた木の破片でした。

このお話で大事なのは、男性は最後のパンが
あったから生きられたという点です。

人間は、つらくて苦しくてどうしようもない時だからこそ、
最後のパン、つまりカウンセリングが必要になってくるのです。
最後にわかってくれる人がいるという事実は、
人を救う力があるのです。

また、それ以外にも、日常的に心を満たしたり、
豊かに生きていくためにも、カウンセリングは役立てられるのです。
例えば、カウンセリングやメンタルトレーニングを
受けることによって、自分の感情のコントロールが
できるようになったり、人とのコミュニケーションが
上手くいくようになります。

例えば、メンタルトレーニングでは、契約時に設定した
目標を実現していくために、必要に応じて、
イメージトレーニングなどのメンタルメソッドを取り入れています。

本番で緊張してしまい、思うように実力が出せない人であれば、
緊張を解きほぐす呼吸法や、イメージトレーニングを
していくのです。

カウンセラーとともに、さまざまなメンタルメソッドを
導入しながら、パフォーマンスを上げることで
目標を達成していけるのです。

アメリカでは、VIPやエグゼクティブの人達が当たり前に
カウンセリングを受けています。

過度なプレッシャーやストレスにさらされる人には、
カウンセリングが当然必要だと考えられているからです。

メンタル不全に悩む方だけでなく、自分の内面の
豊かさや充実感を得たい時や、日々のモチベーションを
上げたい時にも、カウンセリング、メンタルトレーニングは
有効なのです。