心理カウンセラーってそもそも、
カウンセリングルームにいる必要ってあるんですかね?

カウンセリングルームがなぜ必要かというと、
「それは他の人に聴かれなくなく話をクライエントがしやすいように。
かつ守秘義務があるから、カウンセリングルームが必要なんです!」
という心理職もいるようですが、これは本末転倒。
守秘義務は、カウンセラーの義務であって、大切なのことは相談者が話しやすいこと。

その観点では、もう一つ。
密室状態で何をしてるかよくわからないカウンセリングルームは、
体験したことのない人は怖くて行けないっていうことを、
心理職はもっともっと理解した上でそこを打破する努力が必要です。

ニューヨークに毎年研修に行きますが、
大学のスクールカウンセラーたちの仕組みと姿勢はとても勉強になります。
相談者の心情をとても理解してコミュニケーションを積極的に行うところも一つです。
まず、心理カウンセラーたちは学生食堂に行き、そこで「気になる生徒」にお声がけをします。

「新学期が始まってしばらくしても一人でご飯を食べている生徒」を声をかけていくのです。
新学期が始まっても一人でご飯を食べている生徒は、
友達ができない、または何かのトラブルを抱えていると「予測」を立てて、
にこやかに「どう?元気?」と声をかける。
日本だったら学生食堂でカウンセラーや教員に声かけられてもドン引きしますよね(笑)

そう、それは普段のコミュニケーションが重要なんです。
私の古い友人の心理カウンセラーと一緒に大学の構内を案内してもらっていると
実に多くのスタッフや生徒から声をかけられます。
「はあい!リンダ!元気?久しぶりね!」
「どうしたの?今、どうしてるの?」
まるで、本当に大切なお友達に声をかけるように、
笑顔で挨拶をし、ハグを交わす。
普段からの人間関係の作り方が、
いざという時の「こころの支え」という存在になるのです。
そこに、心理カウンセラーとしてのスキルが存在する。
コミュニケーションが先で、その次に心理のスキルです。
心理のスキルがあるからスクールカウンセラーとして存在できるわけじゃない。
日本のスクールカウンセラーの元に、
もし生徒たちが行かないとするならば、行きにくと言われてしまうならば、
もっと根本的に関係性の作り方から考え直していく必要があると思います。

私はスクールカウンセラーたちに、お声がけを徹底していきます。
学生食堂が無理でも、廊下で、教室の外で。
被災地の宮古の通信制の高校では一緒に遠足にいきますし、
三宅島の全島避難の時の東京で開催されていた放課後プログラムでは
一緒に野球をしたりバトミントンをしながら
一人でぽつんとしていた子供たちに声をかけていくように徹底していきました。

ニューヨークのカウンセラーたちから学んだことです。
「こんにちは!元気?どうしてる?」
カウンセラーが声をかけても生徒はとまどって目を反らす事もあります。
しばらく会話をした後に、
「良かったら、カウンセリングルームに来てくださいね」
小さく囁くようにカウンセラーがいう言葉に、
頷く生徒を見たときに、ここから始まることもあるんだなぁと思いました。

今、私たちが子どもとかかわる中でもう一度、
大切なものを取り戻していく必要があります。
人の心によりそう仕事に権威はいらない。
かといって相手の顔色を伺いながら話す必要もない。
大切なことは、子どもたちのモデルとなる大人になること。

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