乳がんホルモン治療の関節痛がひどいので、これはもうメンタル上げていくために楽しい時間を過ごすしかないと全力で楽しいことを探す日々です。もともとインドア体質な私は気持ちが落ちれば直ぐに何もしなくなるから、意識して大人らしく自由に楽しむ。

小学校に上がる時、母はある選択肢を幼稚園児の私に問いかけた。
「学習机とオルガンとどっちが欲しい?」

貧乏な我が家としては、両方買っても置く場所が困るという当たり前の事。だけど当時、高度成長に盛り上がる時代でオルガンやピアノを女の子にならわせるのがブームになりつつあったので、一応母としては一方的に諦めさせるのではなくわたしに選択をさせたのだと思う。

当時本を読むのが好きだった私は迷った挙句、学習机を選んだ。
それ以来、音楽の授業はどうも苦手。

どうやってもいい点が取れない。ピアノを習っているお友達たちが、当たり前に出来る音感がわたしにはわからない。
あと、女子だけ高音をパートを歌わせる先生も嫌い。女の子だって低い声の子はいる。私がそうであるように。

自分の声を好きになれたのは、心理カウンセラーになってからだけど音楽に対する苦手意識はずっとあった。

それでも、学生時代はフォークギター弾いていたし、声帯を潰すまでは40代でジャズを歌ったりしていた時もあるので、音楽は好きなんだと思う。どんな人でもきっとそうであるように、音楽は私たちに生きる力の一部になっていると感じる。

関節痛がひどいので手指のリハビリにと思って買った電子ピアノ。鍵盤は初挑戦。3日で飽きるかも?と思っていた。

譜面も読めないし片手でしか弾けないけど、今やってるのは「音感探しごっこ」好きな歌を歌いながら、勝手にドレミを当てはめて、ノートに書いてそれでフルコーラス弾いてみる。朝、30分起きて直ぐに指のリハビリに。夜仕事から帰って30分、1日のリラックスの代わりに。小さく小さく音量を絞りながら、ゆっくり、ゆっくり。

楽しくて仕方ない。下手くそだけど楽しくて楽しくて仕方ない。
あの時オルガンを選ばなかったのは、今この時に楽しく遊ばせてくれるための、長い人生の素敵な出会いのためとさえ思う。
「ピアノ楽しくない。もうやめたいのにお母さんがやめさせてくれへんの」

私と違って音感の才能があったお友達は高学年になる頃にはいつもそう言っていた。すごく高いピアノを買ったからやめたくてもやめられないのだと。指を痛めたらダメだからとバレーボールもやれないって言ってたな。

お金持ちって大変なんやねーと慰めたのを覚えてる。
子どもの頃のお稽古ごとはあんなにつらくてつまらないのに、大人になって自分の選択で遊ぶ事は、なんでこんなに楽しいのだろう。

日本では大人も子どもも真面目すぎて、本来楽しいことのはずでも楽しめなくて苦い思い出になっていることも多い気がする。別に音楽の専門家にならなくても、音楽を楽しめる。なんでにお稽古ごとでひたすら上を目指させるのかわからない。

他人との比較。親子ともクタクタになるまでなるまで習い事のはしご。子どもがやりたいと言ったと親は言うけど、子どもは何にでも興味を示す物なので、たくさん体験させて続くものだけを続かせていけばいいのだと思う。点数なんて必要ない。

それよりも音楽は人生はいくらでも楽しさに溢れている、そんな時間を学ぶことの方が今の日本の子供たちには本当に必要な気がしています。
あのお友達、また大人になってピアノを楽しんでくれていることを願っている。

そして、人はいつからでも新しいことを始められる。リハビリのための手遊びピアノ、忙しい合間をぬってそろそろヤマハに通いたい(笑)

↓満開になった梅の花とピアノの記念撮影。いつもはサイドボードにお花を置いて弾いているといい香りが漂ってとてもリラックス💖