強豪校アメフトチームの悲しい出来事が連日ニュースになっている中、スポーツにおけるパワハラと、チームにメンタルトレーナーがいることの関係性を改めて考えさせられます。

強いチーム、つまり強豪校の基本となる風土は

「気合いと根性」
「死ぬ気でやれ!」

という練習から始まって

「泥臭く勝って漢をあげろ!」

なんていうのは挨拶代わり。とにかく強く泥臭く、そして絶対的に指導者のいうことは正しい。
それを私は否定しているのではないのです。

強くなるには厳しい練習は当たり前だし、指導者の方は怒るのも仕事の一つだよ、と選手たちにも伝えます。
だけど、以前担当していた体育大学の体操競技部は内村航平選手ほか多くの五輪選手を輩出する名門でしたが、選手の礼儀やあり方も求められ、いつも「日本代表にふさわしいあり方であれ」という監督のもと厳しくも本当に素晴らしいチームでした。

それでも若い学生選手が、スランプに追い込まれたり辛くなったりした時に、間に入ってガス抜きするのがメンタルトレーナーの仕事の一つだったし、選手と時間のない監督やコーチとの間に心の溝が生まれないように選手の話を聞いていました。

以前、アメフトのメンタルトレーニングを受けたことがあります

実は、以前、広島大学のアメフト部からメンタルトレーニングの依頼を受けて選手達のメンタルトレーニングをしたことがあります。その時に私はアメフトの選手というみなさんは本当に頭が良くて、純粋で一緒懸命にやっている人たちなのだと感動したことがあります。

スポーツしている人が頭が悪いなんて悪口言う人にとんでもない!と反論したいくらい、アメフトって難しくて知的なものすごく頭を使う秀才にしかできないスポーツなんですよ!

そしてあの時、広島大学のアメフト選手たちは監督もコーチも不在の中自分たちでお金を集めて、メンタルトレーナーの私を呼んでくれました。つまり自主性も素晴らしかったのです。

「選手が自分たちで出来ること考えて、浮世先生にお願いしました」

と。

日本のスポーツ界も変わらなければと思います。気合いと根性=強豪校という間違った思い込みをなくさない限り似たような事件は後を絶ちません。そして選手や監督、コーチのスポーツ人生を台無しにし、大学に大きな傷を負わせます。当事者だけでなく卒業生や応援してくれる多くのアメフトファンまでも心に傷を負ってしまいます。

全ての大学スポーツにメンタルトレーニングの導入を!