東京都のSNS虐待相談、本日21時をもって二週間の相談期間を一旦完了いたしました。わたしのフェイスブックからも実に200名近い方が拡散してくださり、皆様のお陰様で多くの子どもや悩める親に届いたと思います。

加害者になりうる親にも寄り添い相談を行う。通報とはまた違う切り口であり、日本でこの考え方が今、まさに始まったのは本当に意味深い事です。
若い親はLINE相談ならやりやすい。そんなことがもっと当たり前に、今度は通年で対応できるように私たちももっと研鑽していきたいと思っています。

全国心理業連合会のSNSカウンセラーも三交代制で相談業務に携わり、スーパーバイザーの方々や、システムの皆様、LINEの皆様、メディア対応など多くの方々がまさにチーム一丸となって、世の中に生み出したこの光をさらに、これからも広げていきたいと思いました。
期間中わたしも、改めて児童虐待に関する学びを深めて行く中で、ふと目に留まった本があります。欧米の児童虐待の文献を読み解くうちにたどり着いたのがこの「ルイ17世の謎」という本。

「ベルサイユの薔薇」で有名なマリーアントワネットとルイ16世の子ども、ルイシャルルが僅か10歳で虐待によって死亡したお話はあまりにも知られていないのではないか?と思います。

母親がギロチンに命を散らした後、革命軍によって市民として育てられた彼は、性的虐待を受け、トイレすら置かれない陽の当たらない部屋で、鼠や害虫にまみれてやがて、歩くこともできなくなります。「替え玉説」もありますが、明らかに誰か子どもが虐待されていたことは事実。王子であろうと市民であろうと児童の虐待は確かにありました。

この本を読んで、子どもは「大人の良心にすがりついていきていくしかない」のだと改めて感じました。特に小さい子どもは自分に何が起こっているかも分からず、自殺をすることすら思いもつかず、ただ、大人たちの都合で死ぬより辛い目に遭い続ける。

私達大人の良心だけが、子どもの命を守っている、ルイ17世の話を読んで深くそれを感じました。
世の中は変わり、私達はいろんな物質的に豊かなものを手に入れたけど、弱い者への慈しみや良心はどれだけ豊かになったでしょうか?そして、どうすればそれらを豊かにしていけるのでしょうか?

来年から沢山の地域が、1日でも長く、この児童虐待のSNS相談をしてくださるように願いを込めて、この本をしばらく私の部屋の目につくところに置いておきます。

今もどこかで泣いている子どもが日本のどこかにいることを忘れないために。

今回の活動に参画してくださった全ての方に心から敬意と感謝を込めて。