最近、母の世代(80代)はいろんな記憶が混乱する世代なのだと思う。
昨日までお盆に帰省していた時のこと。

知り合いの奥様から母にご主人が亡くなったとご連絡をいただきました。そのご主人は認知症で身体がお元気なのでよく遠くまでおひとりでお出かけされるのを奥様が探しに行かれたりして、結構ご苦労されていたご様子。その奥様が母に、またお葬式などは連絡しますと言って会話は終わったそうな。

ところが待てど暮らせど連絡がこないので、母が電話をしても繋がらず、探しに探してようやく息子さんに連絡したら、ご主人は入院はしているけど亡くなっていないと言う。なんと!

母がようやく奥様と連絡とれたら「そうなのよね。そんなこと私言ったらしいのよね。でも大丈夫、大したことなくてもうすぐ退院するの」と、おっしゃるので良かったね、と安心していた。

母も奥様も、ご主人も80代、戦後の貧しい中、働きに働いて苦労して私たちを育ててくれた世代である。
昨日、また奥様から母にご連絡が来てご主人がなくなりました、とおっしゃる。

「またそんなこと!」と、思っていたら今度は息子さんからご連絡が来て、父が肺炎でなくなりました、お葬式は○日です、とのこと。なんと、、です。
「もしこのまま亡くなってしまったらどうしよう、、」と愛する家族を失う不安や恐怖が、奥様に母に最初の電話をかけさせたのかもしれないと思う。

悲しみも、失う恐怖も、生きる不安も、全て家族や自分の人生を愛するがゆえの感情なのだと思う。

錯綜する高齢者の発する情報に、社会で理論的に判断することに慣れている私たちは「間違っている」「いい加減なことを言っている」と目くじら立てがちだけれど、最近、金谷先生はじめ、地域医療の素晴らしい医師の皆様との交流を通じて、そんな行き違いを、おおらかな気持ちで受け入れることができるようになった。

誰が、混乱してるのや?!と、犯人探しをしても仕方ない。まあ、そんなこともあるのかなあと、ゆったり構えたほうがいい。少し深呼吸してわたしもそう気持ちを切り替える。

そしてこれからは、一人になった奥様や母が残りの人生をなるべく不安なく、心豊かに過ごしていってほしいと願う。

明石の海の近くにお住まいを構えるステキなご夫妻でした。子供の頃、夏休みにはよく私や弟を海に連れて行ってくれた、仲睦まじいご夫婦でした。そこの子供たちと真っ黒になるまで遊んでスイカを食べました。

落ち着かれた頃、一度、時間をとってゆっくりと明石の海と奥様を訪ねてみたいと思います。母とともに心から感謝の気持ちを込めて。

🌸9月1日日曜日、12時から14時
金谷潤子医師をお迎えしてのトークライブ。介護や地域医療についてお話いただきます。詳しくはinfo@idear.co.jp

↓今朝採れたゴーヤ8号。そろそろゴーヤの実は終わりのようでもう、新しい子は育っていません。また来年も育てたいです。