竹内結子さんとそのご家族に心からお悔やみ申し上げます。そして彼女を愛していた全ての人に。
人気の女優さんで家族からも愛されお子さんが生まれたばかり。
幸せの絶頂のはずなのにどうして?という気持ちは、残された私たちにとって自然な悲しみから来る気持ちなのだと思います。
だけど、だからこそ、深い【心の葛藤】についてもう少し知って欲しくて自死についてまとめてみたいと思います。
🌸表現する仕事🌸
俳優、アーティスト、脚本家などエンターテインメント業界の人たちは、才能に溢れ自己研鑽をされ私達の心に深い感動や生きる力を与えてくれます。
そんな彼らはその仕事に悩みながらも表現することで、自分を感じ、存在意義を感じています。
表現する場所がない、表現できないというコロナ禍の中では、一人で考える時間も増え、自分の存在意義について葛藤している人が多いです。
つまり経済的な不安ももちろんありますが、それだけしゃない。
「私って何者?」「世の中に必要なの?」という本質的な悩みなのです。
そしてそれは繊細で努力家の彼らには人の何倍もの苦しさにつながるのかもしれません。
5月以降、エンターテインメント業界の人たちのカウンセリングのご依頼は増えています。
自己を探求し、繊細な感情を表現することをなりわいとしていることが、かえって今の世の中に対する憂いになることが考えられます。
🌸子どもがいれば悩まない?🌸
子供が生まれたばかりで幸せの絶頂のはずなのに、、という男性からのコメントには少なからず違和感を感じました。
産後はホルモンバランスが乱れ、精神的に強い人でもホルモンからくる【産後うつ」になることは多々あります。
ましてや、まだ0歳の乳児を育てる中で、寝不足や疲れから不安定になることもあります。
「子どもがいるから幸せ」と周囲が決めつけてしまうと、「こんなに疲れている自分はダメだ」「子どもがいるのに幸せを感じない自分は母親失格だ」とかえって弱音が吐けない状況を作ることにつながります。
育児中の人には「時にはゆっくり休んでいいよ」と、サポートする方向で声をかけてあげて欲しいと思います。
🌸連鎖する自死のメンタリティ🌸
芸能人の方の自死は、大きな影響を与えます。それは同じく芸能人にも、思春期の子どもたちにもです。
誰かの自死のニュースにものすごく取り乱していたり、涙が止まらない、ぼーっと考え込んでいるなどを感じたら、表層的に慰めたり忘れさせるのではなくて死生観と向き合うような話をしっかりしていく事が大切です。
生きる意味を語り合うのは簡単ではないですが、あなたのそばにいるだけで自分は幸せなんだ、ということを伝えるだけでもいいのです。
🌸それでも突発的に、、🌸
自死を選ぶ人は前からずっと悩んでいたと思う人が多いですが、衝動的に行動してしまうこともあるのです。本人ですら数時間前まではそんな自覚すらなかったこともあります。
ですから、なんとなく不安なサインを感じたら、普段からなるべく環境に気を配りつつ、家族とともに診療内科やカウンセリングを受けさせてあげてください。
その時には「身体が楽になるようにちょっとお医者さまに見てもらおう」というように普通の病気の受診と同じように付き添って差し上げると抵抗感が和らぐことも多々あります。
🌸竹内結子さんの輝くような笑顔は、多くの人に幸せをもたらしてくれたことと思います。
だからこそ、残された私たちにできることは、原因やプライバシーを暴くのではなく、ご本人やご家族に尊厳を持って接し、彼女がその活動を通じて残してくれた沢山の感動を胸にしっかりと生きていくことなのかと思います。
少なくとも私自身は彼女とその作品を愛した一人として彼女のことを忘れずに、残りの人生をしっかりと全うしたいと思います。