NHK始め各メディアから、ゼレンスキー大統領の来日のコメントを、日本におけるウクライナ支援団体の代表として求められましたので、ここでまとめておきます。
まず、ウクライナの大統領が来日されたこと、私は素直に喜びたいと思います。
おそらく外務省や警視庁はじめ関係各所の皆様のご苦労は本当に言葉にできないくらい大変だったと思います。
来日するゼレンスキー大統領にとっても、受け入れる日本にとっても、オンラインと比べるとはるかに大きなリスクをおいます。
だけど、そのリスクを負ったとしても、日本に来る意味があるとするならば、私たちはそれを受け止め、単なる傍観者としてではなく、支援当事者として、この21世紀最悪の侵略戦争を考えていく必要があります。
ヨーロッパやアメリカの他国と異なり、武器などを支援できない私たちは、この最悪の下劣な侵略行動をどうやって止められるのか?どうやって力になるのか?
経済力も低下し、国際的な責任ある立場よりも一個人の生活の向上を望む意見が多い今の日本に、一体何ができて、何をすべきか?被爆地広島からのメッセージは、とても印象的でした。
私は、昨年ウクライナでは誰もが知っているトップアーティストKAZKAを招聘し、広島にお連れしました。
KAZKAは日本ではまだあまり知られていなくても、世界的に超有名で全米ツアー、欧米ツアー満席、YouTube1億再生という影響力をもつ彼らと一緒に、原爆ドームに行きました。
平和記念館で彼らが言った言葉は「これ(広島の原爆投下後の写真)は、80年前のことではなくて、ウクライナでは今なんだ」でした。
ウクライナでは、毎日、ミサイルで子どもが民間人が焼け死んでいます。
子どもたちの授業は空襲警報で中断して地下室で息を潜めます。
ロシアの占領地域では、毎日レイプ、殺人、子どもたちの連れ去りが行われています。
8歳の子どもがレイプされた話も聞きました。日本で多くの人が知らない壮絶な残酷さがもまだまだたくさんあるのだと思いました。
ウクライナの人たちは、自分の子どもたちに主権国家を残すために戦っていると聞きました。
今ここで停戦しても、また必ず次の侵略が起こる。だから、自分たちの国を守って子どもたちにウクライナという主権国家の残すために、必死で戦うのだと。
戦地に行くのは誰でも怖い、死にたくない。
ただ、家族で平和に普通の生活を送りたい。
だけど、いま、頑張らないとウクライナという国がなくなってしまうから。
私はウクライナ支援を始めるまで、ウクライナには縁もゆかりもありませんでした。多くの日本の人たちがそうであるように、どこか遠い国の遠いお話でした。
大国ロシアに勝てるはずがない、ロシアの首都を攻めないんだから、短期間でロシアが降参するはずはない。
だけどロシアを攻めたら本当に世界大戦が起こるから、それは絶対避けて欲しい。
多くの人たちがそうであるように、私も答えを出せずにいました。
当事者の痛みは慮っても、それだけでした。
ウクライナの避難民の方の心のケアを始めた時、たくさんの生のお話を聴きました。その時、ウクライナの人たちが子どもを守る行動をしていることに気がつきました。
そして私は、1人の大人として自分が今回の戦争に初めて【強い責任】を感じました。
世界中の大人たちが、今回の戦争に責任を感じるべきだと思いました。
「21世紀にもなってこんな野蛮な戦争を止められなくて本当にごめんなさい、ウクライナの子どもたちへ」という想いが日に日に募ってきました。
もちろん、私なんか政治家でもないし、国際的に影響なんか1ミリもないので、責任を感じたところで、戦争なんか止められません。
世界中の叡智を集めた国家元首が集まっても止められないのですから。
だから
【戦争は止められませんが、日本に来てくれたウクライナの避難民の皆様を支援することはできる】【日本の人たちに呼びかけて、ウクライナの一人一人の民間人を少しでもサポートすることはできる】
と、思って毎日小さいながらやれることをただやっています。
「あなた自身もがんの闘病中なのに、そのエネルギーはどこから出てくるのですか?」とアメリカから来たメディアの方に聞かれました。
「自分の国でも病気はこんなに辛いのに、異国で心と体の健康が損なわれるほど辛いことはないでしょう」と答えました。
私たちが、ウクライナ避難民のがん患者の方を毎月病院にお連れして、たくさんの人たちの身体と心のケアを行っていることをさしていた質問なのだと思います。
ウクライナの避難民の方も、今ウクライナで戦う人たちも、みんな子どもたちの未来を守るために懸命に行動しています。
なれない異国でほんの少し手を差し伸べることで少しでも、ほんの一瞬でも笑顔になれるならば、やったらええやん!と思うのです。<Br.
ウクライナの人たちの心と体の元気が、ウクライナの将来の希望になります!
大変な状況の中、頑張るウクライナの人たちを心から尊敬しています。
そうして毎回、ウクライナの人たちに伝え続けています。
同情ではなく、心からの敬意。
戦争はすぐには止められませんが、私たち日本人が出来ることはまだまだたくさんあると思っています。

