夜は鬼滅の刃のテレビ放送。普段はAmazonプライムで見ている私でもテレビ放送は家族やみんなで見れるのでとても楽しみ。

特に今日は「柱合会議」ということで、鬼殺隊の柱が登場するみどころです。私はこの場面から「機能回復訓練」に至るところがとても好き。最後に炭治郎がカナヲにコインを投げるところなんてメンタルトレーニングのお手本にしたいくらいです。

特に柱合会議で鬼殺隊のリーダーであるお館様と柱たちのやりとりには組織のリーダーとしてとても考えさせられるものがあります。
柱とは鬼殺隊の中でも超ハイスペック剣士。企業で言うとトップ営業マンたち。自分たちが組織を支えているぞ!という自覚も半端ないが、個性も我も強い。
それを束ねる身体の弱く病気のお館様。

いくら侍従関係があったとしてもこれはなかなか難しい。
ネットなどでは「柱はお館様の言うことに全く従ってない。威厳なんか実はないんではないか?」と言うコメントがありますが、いやいやいや!よくみてください。やりとりよーく聞いてください。

実はこのお館様、すごいんです。

私は鬼滅の刃の中で一番すごいと思うのは、柱でも、鬼舞辻でも無くお館様ですからね。
以下少し考察してみます(全力ネタバレですのでご注意ください)

鬼の禰󠄀豆子を認めてくれというお館様に対して、柱の数名は断固反対をします。お館様には絶対服従。話を遮るのもダメというくらいリスペクトしているにも関わらず、柱たちは鬼の禰󠄀豆子を殺すべしといって譲りません。

冨岡義勇ほか炭治郎たちを応援する鱗瀧左近次からの手紙に、もし禰󠄀豆子が人を殺したら責任を取り切腹するという言葉が書かれていても、不死川はじめ数名は納得しません。

「切腹するからなんだというのか。死にたい奴は勝手に死にくされよ。なんの保証にもなりはしません」と不死川。これはこれですごいことです。ある意味ここまで上司に自分の意見をはっきり言えるのは大事なこと。

人の命が賭けられたという時点でドン引いてしまう人の多い中、やはり命を賭けて鬼滅殺を掲げる鬼殺隊の柱はそうではなくてはいけません。不死川カッコイイ!
それを言えるという会議の環境は日本の組織には本当に大切なのだと思います。

そしてその熱い反対意見にお館様は冷静に優しく語りかけるのです。
それが次の秀逸な言葉。()に私の解説も入れています。

「たしかにそうだね(まず頭ごなしに否定するのではなく相手を受け入れる。まさにカウンセリングの基本である受容的態度ではないですか!)
ただ禰󠄀豆子が2年の間人を喰っていないという事実があり(現状を客観的事実として述べる)
そこに3人の命がかけられるている以上、これを否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない。皆にその意思はあるかな?(反対するならお前たちも命をかける覚悟はあるか?と詰めている)」

この切り返しだけでもすごいと思うのです。合理的かつ容赦ない。なかなかここまで言えるリーダーはいない。そこでさらに続けて、、
「それに私の子どもたちに伝えておくことがある(対立してるように見えるのに私の子どもたちという慈愛の呼びかけをあえて使う)炭治郎はね鬼舞辻と遭遇しているんだ(このレアケースは鬼舞辻の弱点となると、合理的根拠を述べる)。中略〜禰󠄀豆子にも鬼舞辻の予想外の何かが起こっていると思うんだ(だから禰󠄀豆子を殺すのは得策ではない)」

決して、可哀想だから殺さないと情に訴えるのではなく、かと言って「うるさい!黙れ!上司の言うことは絶対!」と威圧するのでもない。
その後まだ納得しない不死川が禰󠄀豆子を刺して噛ませようとする暴挙も黙認してやらせている。

納得するまで自分でやってみろ!と。
時間もかけるし丁寧だけど、合理的で冷徹で、しかも命かけるかい?と優しくすごいこと言ってるよね、お館様、、です。

お館様のすごさは、のちに鬼舞辻無惨との最終決戦に繋がる自爆行為に象徴されるのですが、自分が死ぬだけならともかく妻やましてや幼い子どもたちまで巻き添えにする必要ある?とかなり衝撃的でした。
そこまでの覚悟を持ってミッションを成し遂げようとするその壮絶さに、真似はできないなぁ、、と。

想いの強さという点ではお館様の方が無惨より怖いもん(無惨は壮絶に強くて、ありようはクズですが、使命感とかはないからいつかは滅びる気がする)
私もこんなリーダーでありたいなあと思います。本気で命がけで、だけど部下たちが自分の意見をしっかり言いつつ、何が大事かを語り合う。

人の命は儚いけれど、人の想いは永遠だから。だからリーダーの言葉が大事。
大切なのは何を想うか?ということ。
その大切な想いを形にするべく今の時、一年を締めくくりたい。

まもなく世界中が苦しんだ2020年が年の瀬を迎える。一人一人が自分の願いや想いを感じられる、年の瀬がそんな時間になればいいと思っています。