グーグルが証明した「心理的安全性」

2012年、グーグルは
プロジェクトアリストテレスという
ユニークなプロジェクトを
立ち上げました。
ここでは、グーグルの中で
様々なプロジェクトチームを形成し
どのチームが生産性を上げていけるか
という事を実証したものになります。

プロジェクト:アリストテレス

グーグルの中に
多くのプロジェクトを形成し、
その中でどういった要素を持った
チームが生産性を上げていけるのか、
ということを検証するプロジェクトです。

その結果、生産性を上げていく
プロジェクトチームは
全てにおいて結果を出していきますし、
生産性の上がらないチームは
全てにおいて結果を出していかない、
という事が分かってきました。

そこで、それらの結果を出すチームに
総合的に見られた要因としては
「心理的安全性」
つまり自分の存在などを
否定されることなく
そこで尊重され、
心理的に安全だと思っていた組織が
結果を出していくということが
実証されました。

自分の立場や状況を
しっかりと踏まえた上で、
自由な意見を活発に述べる事ができる。
それがグーグルの出した結論、
心理的安全性といえるわけです。

心理的安全性

心理的安全性は、
例えば役柄や属性、民族、
立場によって、そこが変わってきては
いけないというものであります。

つまり社員の一人が、
実は私はがんにかかっていて、
がんの治療を行いながら
仕事を続けたいという
秘密を持っていたとしましょう。

例えばそれが自分のリーダーや
メンバーに知らせてしまったら、

辞めさせられてしまうのではないか?

責任のあるポジションから
外されてしまうのではないか?

というような不安があれば
きっとこの社員は
がんであるということを
組織に言わずに
辞めてしまったりするような事に
ほかなりません。

実際にこのプロジェクト
アリストテレスでは
プロジェクトリーダーが
「実は私は今、進行は遅いけれども
 ある種のがんにかかっている」
ということを打ち明けたところ、
他のメンバーからも
「私も実は…」とか
様々な生活上での不安や課題などを
お互いがカミングアウトしあう
という場が見られました。

多様性を認め合う

このチームはその後、
非常に結びつきが強く
多くの困難を乗り越えて
結果を出していったとも言えます。

つまりリーダーが
自分自身の欠点をさらけ出し
チームみんなで
それぞれを認め合いながら
結果を出していくという事も、
それが全てではありませんが、
多様性を認め合い、
多くの状況の中で
結果を出す組織を創っていく
という事に繋がってくるのだと
思います。

このようにして
プロジェクトアリストテレスは
心理的安全性が
それらの組織の中で
大きなキーワードになるという事を
証明したわけですが、
ここで私は二つ感じることがあります。
(後編へ続く)