【LINE相談の現場から感じる停止のリスク〜木を見て森を見ず!にならないように今こそ自治体リーダーの視野の広さの見せ所】

LINEが海外のエンジニアにサポートの一部を任せていた報道に関連して、一部の省庁や行政のLINE相談が止まっています。もちろん継続している自治体もあります。

SNS全部に言えることですが、サーバーや管理に関して目に見えないセキュリティーに不安を感じる気持ちはわからなくはないですが、そんなこと言うならば、このFacebookも Twitterもおそらく全部、海外サーバーに個人情報は溜まっているのだろうし、Amazonでよく買い物する私の個人情報はどこの国でどんな感じで管理されているのかすらわからない。海外郵便で荷物が届くこともよくありますからね。

今回の件に関して、LINE社はいち早く対応をして国内サーバーに切り替え、その安全性には問題ないと私は感じています。説明責任も果たしている。
ただ、正しく情報を知らないまま、「個人情報の中国への漏洩だ!」とパニクって騒いでいる人がいるのは驚きます。

情報漏洩は起こってはいないし、国際企業が他国間でエンジニアを抱えているのは当たり前のことなのに、、。

なによりも「木を見て森を見ず」ではないけれど、SNS相談で日々救われている命があるのにそれを止めることのリスクを省庁や行政の方はもう一度考えてほしいです。これは現場で相談を受けているSNSカウンセラーだからこそ言えること。心のケアは今が大切な時期なのです。

今、目の前の家が燃えていて、早く水をかけて消そうとしているのに「この水質の安全が少し不安です。カルキの量が適切かの検査が必要なのでしばらくは水を使わないでおきましょう」と言っているようなもの。そんなことしている間に人、死にますよ!
4月になって子どもたちが新学期に馴染めなくてSOSを出しています。社会人たちも環境の変化やコロナ禍でメンタル疲れ切っている中4月5月はリスクが上がります。

LINE相談止めたことのデメリットは続けることのデメリットよりもはるかに大きいことを省庁、行政担当者は考えて判断を下していただきたいと願います。
「メールや電話もありますから」とある行政担当はおっしゃったとか。

「LINEとwebチャットだとLINEの方が圧倒的に相談件数が多い、比べ物にならない」とLINEと他のチャットシステムを持つIT事業者さんの言葉。
SNSカウンセラーたちはいつでも相談窓口が再開できるように愚痴ひとつ言わず、静かにスタンバイしています。

水質の確認に時間を取る間に家が燃えてしまうような悲劇を生むのではなく、ちゃんと人の命に寄り添うこととはどういうことか?ということ。
リーダーたちの俯瞰的な判断が今こそ求められていると思います。