「過去の看護や介護は全てが正解。」
「後悔は家族を今もなお愛している証」

「患者にとって大切なのは、ポジティブな未来ではなく、穏やかな今」
🌸今日から新しくスタートした「患者目線の心のケア」をテーマにした「治療中でも自分らしく過ごす心の持ち方」

日曜日の夜という時間帯が家庭人にはかなりハードルが高いにもかかわらずたくさんのご参加ありがとうございました。

この講座、単に浮世のがんの闘病を話すものではありません。今月から始まる乳がん専門医のナグモクリニックで心のサポートをしてくれる心理カウンセラーたちの、心の準備、あり方、そしてカウンセリングのスキルを磨くかなりの上級コース。

それだけに、お一人お一人の自己紹介にも私がきちんと向かい合い、カウンセラー一人一人のバックグラウンドや思考バイヤス、トラウマなども優しくそして、穏やかに、必要に応じて包みながら進行することを心がけました。

例えば「薬飲んでちゃんと治療して!」と言われますが患者としては「副作用で飲むのは辛い」と思うわけで、その正しさと、本人の思いの隙間に起こる不一致を優しく埋めていく作業をカウンセラーが担うのだと思います。

「治療受けなきゃダメ!」という正しさが人を幸せにするとは限らないし、かといってやみくもに「嫌ならやめればいい」という言葉は口が裂けても言えない。そこを丁寧に、優しく、丁寧に、優しく、、なのです。

理論だけではないから、ご自分の過去の看護や介護を思い出し反省を通り越して後悔の言葉を口にする人もいましたが、私は家族や医療の方が頑張った治療は「過去の看護や介護は、すべて正解だから」というようにしています。それでもなお、いたたまれない気持ちがあるのであれば、カウンセラーとしてこれから出会うすべての人に、その優しさや想いを伝えていけばいいと思っています。

少なくとも私たち心理カウンセラーとしての立ち位置はそうなのです。
東日本大震災で心のケアをし続けていく中で気づいたことは「後悔して苦しむのはその家族のことを深く愛しているからだ」ということ。

これは、がんや病で家族を亡くした人にも言えることですよね。後悔の涙ではなく、その家族のことを大好きだった涙だと気づけば、心は少し深呼吸してホッと出来るのかもしれません。

浮世としては、まだサバイバーでもないし、がんから復調もしてないくせに、自分が心のケアに回るなんて、なんて不遜なんだ!なんて業が深いんだ!と思われるかもしれませんが、患者には今しかないんです。

前向きで、バラ色に描かれた未来が、私たち患者を元気にするというよりも、自分にも今できることがある、自分らしく一日過ごすことができるということが、患者にとっては一番の、自己承認であり、ささやかな達成感が心を強くしてくれるのです。

私にとってはそれが後輩カウンセラーを育てること、大好きな仕事だということなだけなので、どうぞ温かい目で見守ってやってください。

患者目線の心のケア。2回目以降でも入れますので、一人でも多くのカウンセラーや支援のご家族とともにセラピー的な深い講座をめざしたいと思います。

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